ひとみの内緒話

presented by ひとみ & イネ

secret police 海猫 3 -0407 2018-05-03 (thu)

作:出羽 健さま

※※ 第4章 美人検事はカラオケがお好き (7) ※※

「もちろんだよ、君。第二検察部なんか、彼らの鼻息で跡形もなく吹き飛んでしまう存在なんだからね。できれば穏便に処理してもらいたいわけだが……」

 伝法がこの程度の圧力に屈する人間でないのをわかったうえでの挑発である。やるな、と言えば、いっそうアクセルを踏む気性なのだ。

 彼女は、「次長がそうおっしゃるなら、適当に因果を含めておきますわ」と、呆気なく従ったが、本心でないのは明々白々である。

(狸め。何を企んでいるかは知らないが、ハメだけは外してくれるなよ。あくまで俺の手のひらのうえで踊るんだ。わかってんな)

「ところで、その女子大生の居所だが、どうも自宅のプレハブには帰っていない様子じゃないか。どうなってるんだ?」

 ここは押さえておかないといけない。緊急事態になれば、伝法よりも生き証人の身柄のほうが重要になってこよう。

「帰ってません? どうしたんでしょうねえ」

 しらばっくれるのもよくわかる。
 彼女の切り札でありまた、弱点でもある。
 容易に手の内を明かそうとはしまい。
 すでに伝法は田沼を味方とはみていないのだ。

「まさか。嘘だろう。敏腕できこえた伝法検事が捜査の初歩中の初歩を怠るとは思えんね。証人の身柄の確保は基本だろ。上司である私にも報せないとはどういう魂胆なの」

「次長──」と、伝法はグッと身を乗り出して、田沼の目を覗きこんだ。

 伝法のセクシーな桃色に輝く美貌が迫り、田沼は息を飲む。ムンと匂ってくる化粧の香りが彼女が女である事実をいやでも認識させた。

「──ことを徹底して秘密裏に進めなければならないのは言わずもがなでしょう。これは暴力団のようなちゃちな相手の事件ではないのです。海猫ですからね。彼らも威信にかけてつぶしにくるでしょう。証人の居場所を知っている人間は少なければ少ないほど、安全なのです」

「だから、それは君と私だけにとどめておくことに……」
「残念ながら次長は信用できません」
 伝法はきっぱりと言った。

「な、なんだと、伝法検事!」
 色をなす田沼。伝法はそれを手で制した。

「それと同様の理由で、私は私自身も信じておりません」
「……説明してみたまえ」

「ようするに彼女の居場所は彼女だけが知っているのです。ある期間が経過したのち、彼女は私に連絡をとってくる手筈になっております。つまり、それまでは私でさえ、証人がどこに潜伏しているか、わからない。東京か、地方か、人里離れた山奥か、あるいは海外かもしれない。いずれ彼女が必要となってくるのは裁判が始まってからの話ですからね」

 田沼はふっと緊張した息を吐き出して椅子の背に体重を浴びせた。

「……伝法くん、君は本気なんだね。本気で海猫と一戦、交えるつもりなんだね」

 伝法はこっくりと頷いた。
 それまでのような場を茶化す態度は消えている。
 瞳に意志が宿っている。強い決意を秘めた意志だ。
 彼女の正義感の強い人間性が吐露されている。

「……わかったよ……」田沼はしみじみと言った。
「君には負けたよ。やってみたまえ。自由に腕を揮ってみたまえ」
「次長──」

「フフ、嘘だと思うかね? まあ、いいさ。正直言って、私と君の今まではうまく行っていたとは言いがたいからな。だが、これは話が違う。ヘタをすれば検事局は壊滅だ。個人的な感情を云々している場合ではない。私はそれほど馬鹿じゃないよ、伝法くん。私としてもあらゆる手段を講じてみよう。あらゆるチャンネルを通じて働きかけてみよう。どうだね? だから君もこの際は私を信じて協力体制を組まないか」

 伝法はしっかりと頷いた。
 合戦へ向かう女武将のような凛々しさがある。

(へへへ。頭が良さそうに見えても、しょせんは女だ。私の浪花節にホロリと騙されて、その気になってやがる)

 田沼は表情筋を微動だにもせずに、胸のうちで嘲笑した。
 そして伝法の熱っぽい視線にこたえるように見つめ返した。

 司法試験をトップで通過した知性とプライドが海猫に無残に踏みにじられるのかと思うと、ツーンと何とも言えぬ感情がこみあげてくる。

 これが憐憫なのか、嗜虐なのか──たぶん両方なのだと思うが──、いや、それにしても最近にはあまり出会わなかった昂奮だ。

 しかし田沼検察部次長を別の意味で昂奮させる出来事が次の日の朝、起こった。主役はもちろん伝法ゆかり検事である。

- つづく -


出羽健書蔵庫 投稿してくださった出羽健さまのHPです。
ちょっと過激で濃厚な官能小説です。素敵なCG付きの作品も☆


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