ひとみの内緒話

presented by ひとみ & イネ

鮮 血 の 日 記 2 -0302 2016-08-30 (tue)

作:香月さま

※ 第3話 5月17日 (2) ※

 一番いいのは、ミレニアが目覚めたタイミングで起こしに行くことなのだろうが、前後に大きくずれる彼女の起床時間ぴったりに起こしに行くなど、普通の人間に出来る芸当ではない。そういうわけで、ミレニアを朝起こし、着替えをさせるというのはかなり精神的に辛い仕事である。

 まぁ、それを言ったら、ミレニアと直接顔を合わせる仕事はすべて精神的に辛い仕事であるのだが。彼女の怒りを買ったものは例外なく地下の拷問部屋に連行され、長期に渡って拷問を受けて苦しんだ挙げ句に惨殺されるのだと、メイドたちは噂しあっているし、信じているのだから。
 では、実際に彼女の怒りをかって惨殺されたものは誰か、と聞かれると、答えられるものはほとんど居ないのだが。

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 メイドの一人、ファナは緊張した表情で寝室の扉をノックした。
 今年で二十歳なる彼女は、二年前からこの屋敷で働いている。
 ミレニアよりも、この屋敷にきたのは早かったのだ。

 最初に見た時は、何だか暗そうな娘だな、ぐらいにしか思わなかったミレニアが、領主夫人になった時は随分と驚いたのを覚えている。
 だが、その後、彼女が領主になった時は驚かなかった。
 彼女の身にまとう雰囲気が、一変していたせいだ。

 年下で、自分よりも後輩に当たる少女に恭しく仕えなければならないことに、ファナは何の不満も持っていなかった。

 他のメイドたちと同じく、ファナはミレニアのことが怖いのだ。
 彼女の前に立ち、見つめられると、理屈ではなしに身体がすくむ。
 前領主の機嫌を損ねることも恐れてはいたが、ミレニアに対した時に感じる問答無用の圧力とは比較にもならない。

 彼は残酷な人間ではあったが喜怒哀楽の表現が分かりやすく、どう対応すればいいのか判断するのは容易だった。
 ミレニアはいつも表情を変えることはなく、声を荒らげる事もしない。
 だが、それだけに、怒っているのかどうかの判断がつけられない。

 内心では怒り狂っているのにそう見えないだけだとしたら……そんな時に発した何気ない一言が、自分の命を奪うかもしれない。
 いつ殺されるか分からないという恐怖に、他のメイドたちと同じく彼女も囚われていた。だから、初めてのミレニアの着替え当番ということで、非常に緊張しているのだ。

「……どうぞ」「し、失礼、します」

 ノックに返事が返ってきたことで、僅かに安堵しながらファナは扉を開いた。だが、その安堵は長くは続かなかった。夜着姿でベッドに腰かけたまま、ミレニアは何かの報告書に目を落としていたのだ。

「も、申し訳ありません。遅くなりました」

 慌てて頭を下げるファナに、無言のままミレニアが立ち上がる。額に汗を浮かべ、ファナは衣装ダンスからミレニアの衣服を取り出した。

 何着も下げられた中から、黒系統のドレスを選び取る。
 他の色のドレスもあるのだが、衣装ダンスの中に入っているドレスの中ではその色が一番多いからだ。

 ミレニアの夜着を脱がせ、ドレスに着替えさせる。
 その作業をファナがする間、ミレニアは一言も発しない。ただ、黙って彼女に視線を向けているだけだ。緊張に震えそうになる指で懸命に服の紐を結び終え、ファナはミレニアの前に姿見を移動させた。

「い、いかがでしょう? とても、お似合いでございますが」
「……そう、ですか?」

 姿見を支えながら問いかけるファナに、わずかな間を挟んでミレニアがそう応じる。淡々とした言葉に、ひっと思わず悲鳴を上げかけてファナは慌てて飲み込んだ。
 ミレニアの前で悲鳴を上げてはいけない、彼女は怯える相手をいたぶるのが好きなのだから、と、メイドたちの間では言われている。

「お、お気に、召しませんか?」
「……別に。あなたがこれでいいと思うなら、それでいいのでしょう」

 視線をふっと逸らし、淡々とした口調でミレニアがそう言う。
 着替えた服に満足しているとは思えないその態度に、がちがちと歯を鳴らしながらファナは慌てて頭を下げた。

「も、申し訳ありません。す、すぐに、別の服を用意しますので……」
「……そう」

 短く答えてミレニアが視線をファナに戻す。まったくの無表情で、そこからミレニアの内心を読み取ることは難しい。
 動揺を出来るだけ表に出さないように努力しながら、ファナは衣装ダンスから別のドレスを取り出した。最初に着せたドレスと同じ黒系統のドレスだが、装飾が地味でシンプルな作りになったものだ。

 ミレニアの服を脱がせ、着せかえる。
 その作業の間、ずっとミレニアの視線を感じつづけている。
 胃の辺りに、針で刺されるような痛みが走った。

「こ、これでしたら、どうでしょうか……?」
「……また、黒なんですね」
「く、黒は、お嫌いでしたか……!?」

- つづく -


拷問部屋 投稿してくださった香月さまのHPです。最近、更新されないけど..
SMじゃなく本物の拷問です。その方面を研究される方は是非(笑

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