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いじめられた女子高生
(3)
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投稿:Room Shoes 様

第三章

 赤い色の縁取りのバレーシューズ。定番の上履きを、校内で履くことが校則で定められている。
 皆が同じ色の同じ形の上履きを履いている。

 それを、ここで脱ぐ。

 ひとみは、なぜそんな要求を呑まなければトイレに行けないのか、疑問の声をあげる余裕も、もう残されていなかった。
 一秒たりとも早くトイレに行きたい状況だった。

 ひとみは、上履きを脱ぎ始めた。
 それを見た里美たちは、廊下に通じる扉への道を開け、どうぞ、と導いてくれた。

 ただ、そこに、ひとみの上履きを残すことが条件で。

 ひとみは、自分の履いていた上履きを名残惜しく見届けながら、扉に向かって歩き出した。

 靴下のままの姿。普段なら恥ずかしくて仕方ないが、今はそんな余裕は無い。
 扉を開けて小走りにトイレに向かった。

 女子トイレには数人の女子がいて、二人が個室の空きを待って並んでいた。
 その並びについたひとみは、そこで初めて靴下のままの自分を意識した。

 足裏から、湿った感触が伝わってくる。
 トイレの汚れ、濡れた感触、何より上履きをひとりだけ履いていない、この濡れた床の上でのこの状況。

 トイレから出た女子が、あからさまに、うそっ、やだ。と、ひとみの足元を見てつぶやいた。
 前に並んでいた女子もそれに気がつき、ひとみの足元と顔を交互に眺めた。

「・・・先に、どうぞ・・・」

 その女子が、ひとみの様子を見て、先を譲った。
 ひとみは、ほんの少しだけ会釈をして前に進み、その直後に開いた個室に駆け込んだ。

 放尿し終わった後、靴下のままの足元を見て、想った。

 今頃、私の上履きは、どうなっているんだろう。
 おそらく、脱いだそのままの場所にあるはずが無いことは、ひとみも覚悟していた。

 もう、四足も買いなおした上履き。
 それらは、何者かによって隠されたか、捨てられたか、またあちこちをビリビリにカッターで切り刻まれて、履けない状態で下駄箱に存在していたこともある。

 だから最近は、上履きを毎日持ち帰って、いたずらされないように、捨てられないようにしていたのに。

 自分の意思で、里美たちの目の前で脱いだ、23cmの「二組 ひとみ」とマジックで書いてある上履きがどうなっているか、もう期待しないことにした。

 女子トイレを後にし、教室に戻ったひとみは、教室の隅に視線を落とした。
 が、案の定、そこには何もなかった。

 ひとみはため息をついて、自分の席に着いた。そこでちょうど、四時限目の開始チャイムが鳴り響いた。
 英語の教師が、教室の前の扉を開けて入ってきて、日直が号令をかける。

「起立!」

 一斉に椅子を引く音がして、全員が立ち上がる。
 いつもの光景だが、ひとみには床の冷たさが容赦なく足裏を襲い、上履きをひとり履いていない事実を突きつけていた。

「礼。着席」

 皆が一斉に座り、バタバタと教科書やノートを机から取り出す音がする。
 ひとみは、靴下のままの足元を、先生に悟られないように、小さくたたんで隠すように椅子の下に脚を組み、片方のつま先だけ床につけるようにしなければならなかった。

 先生が今日の授業について話し始めている間、ひとみは二週間ほど前の出来事を思い出していた。

- つづく -


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