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時を巡る少女
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2018-07-12 (thu)

投稿:とっきーさっきー様

※※ 第24章 膣壁に染み入る愛しい体液 (2) ※※

『魔法かぁ……美桜ってさ、あたしのことを凄く買ってくれているのね。でも……うふふっ』

(なんか歯切れが悪いわね。まさかだけど、他にもわたし達の協力が必要……なんてこと、ナシだよね?)

 美しい少女と、愛らしいフランス人形と。飛び交う会話は、誰の耳にも拾えやしない。
 燃え尽きようとする命の危機を前に、それはサラリとした余裕を垣間見せるやり取りであった。
 同性なのに愛し合い、心を通じ合わせたことのある、女の子どうしのヒソヒソ話のようでもあった。

『美桜、あたしを抱えてちょうだい!』

 そのサキコが、急に声のトーンを変えた。
 美桜の問いをスルーして、強めに命じた。

『翔吾は、そこのドアの前に立たせて』

 矢継ぎ早にサキコは、また命じる。

「翔くん、お願い」

 余裕ぶたせた顔色を美桜も消した。
 全てを話さなくても理解し合える。
 そんな調子で、肌を合わせていた翔吾には、短く簡潔に。

「わかった」

 驚きもしなければ、怪訝そうな顔も作らない。
 美桜に促されて、翔吾は素直に動いた。
 全裸のまま這うようにして進み、どうにか扉の脇に辿り着く。

『美桜、こっちよ……そのまま真っすぐ……』

 もはや、まともに目など開けていられない。
 殺意のある煙を掻い潜るようにして、美桜はサキコのナビゲートに従った。

 ベッドから床上へ、滑り落とした身体を四つん這いにさせる。
 まだまだ火照りを忘れない肌を引きずるようにさせて、目指す壁際を目指した。
 そしてもがくこと数秒、片手でローボードを探り当てると、力を振り絞り身体を起こした。

「ゲホッ、ゲホッ、ゴホッ……全知全能な時の迷宮の女王様も、ハァ、ング、こっちの世界では、案外頼りにならないのね」

『全知全能は余計よ。あたしはね、時の無限迷宮に魅入られた哀れな人形。でもね……』

 美桜が口にした皮肉りのジョークに、サキコは自虐めいた言葉で応じた。
 しかし、その美桜の両手に抱きかかえられた瞬間、可憐なフランス人形はあっさりと奇跡を起こした。

「あ、呼吸が楽になって……」
「お、目が痛くないぞ」

 痛みを覚える美桜の肺に、空気が循環される。
 粘膜を削られ赤く腫らした瞳を、翔吾は繰り返し瞬いては潤していく。

 濃密な煙の層に変わりはない。
 けれども、まるで二人をガードするように透明なバリアーにでも包まれている感じである。

(サキコって、ホントに意地悪ね。わたしや翔くんがこんなに苦しんでたのに、どうして今まで魔法で助けてくれないのよ?)

『ハア、ハァ……こっちの世界ではね、体力の消耗が激しいのよ。無限に存在するマナが、あたしの魔力を封じようとするの』

(ふーん、そうなんだ)

 経験など御免な試練を与えられ、翔吾の分も含めて嫌味を言ったまでの話。
 それなのに、サキコからはファンタスティックな言い訳を返され、美桜は短く鼻を鳴らした。
 そして、客室ドアの脇からこちらを眺める翔吾に顔を当てた。

- つづく -


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