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鮮 血 の 日 記 2
- 1505 -
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2018-07-09 (mon)

作:香月さま

※ 第15話 1月2日 (5) ※

 これから処刑されるというのがまだ年端もいかない幼女であることに、群衆の間にざわめきが広がった。

「この者はカーウェイの村より送られてきた罪人である。両親を亡くした後、生きる為にこの者は村の畑の作物や家畜を盗むということを繰り返してきた。のみならず、その現場を捉えた村の住人を石を持って撲殺したという」

「境遇に哀れむ部分はあるものの、その罪は重く、また、一切悔悟の様子がみられないことからこの者を引き裂き刑に処すものとする!」

「いっ、いやっ、私、何にも悪いことなんてしてないよぉ。たすけてっ、だれかっ、たすけてよぉっ」

 メイドの宣告に、幼女の上げる悲鳴と哀願の声が重なる。
 涙をぼろぼろとこぼしながら訴える幼女の姿に哀れみを覚えたものは多いだろうが、群衆の間から助命を願う声は上がらない。そんなことをして自分が罪に問われてはたまらないという保身から出た発想がその理由の大部分を占めるのだろうが、このような幼女が惨殺されるところを見たいという暗い欲望が幾分含まれていないとは言いきれない。

「やだっ、やだやだやだぁっ。たすけてっ、おねがいっ、たすけてよぉっ。わたし、わるいことなんかしてないもんっ。いやあああぁっ、こわいっ、こわいよぉっ」

 梯子を用いて新たな縄を上に上がった横木の一端に結びなおし、それを馬で引かせて岩を吊るしたほうの一端を上に持ち上げる。

 更に地面の杭にロープを結び、横木を固定するという準備が整うと、男たちの手によって幼女の身体が処刑台の上、先ほどの男が流した鮮血が溜まった場所へと寝かされる。

 半狂乱になって泣きじゃくり、身体を暴れさせる幼女の身体を難なく押さえ込みつつ、男たちは彼女の細い足首に垂れ下がったロープを結びつけた。更に、もがく彼女の両腕を掴んで処刑台の上に押し付けると、掌を開かせてそこに釘を打ちこむ。

「ギャッ、ギャアァッ! いたいっ、いたいよぉっ……やだ、たすけて、ねぇ、だれか、たすけてよぉ……」

 両掌を釘づけにされた幼女が、すすり泣きを上げながら弱々しい口調で哀願する。誰もが痛ましく思うその姿を、ミレニアは口元に薄く笑いを浮かべながら見つめていた。

 幼女の痛々しい姿から思わず顔を背け、もしかしたらミレニアの気が変わって助命があるのではないかと彼女のほうに視線を向けた何人かの人々は、見てはいけないものを見てしまったような気分になって慌てて視線をミレニアから逸らす。

 幼女の掌を釘づけにし終えた男たちが処刑台の上から降り、斧を手にとって固定用のロープのほうへと歩み寄る。
 群衆が息を呑んで見守る中、斧が振り下ろされた。

「ギャッ!? ヒッ、ウギャアアアアアアアアアアアアアアァァッ!!!」

 岩の重みで横木の一端が跳ね上がり、幼女の足を宙へと持ち上げる。勢いよく逆さまになった幼女の掌がびびっと裂け、彼女の全身が宙へと持ち上げられる。

 その痛みに短い悲鳴を放ち、更に自分の身体が逆さまに勢いよく宙へと跳ね上げられたことに恐怖の声を上げかけた幼女だが、次の瞬間、両足首が左右へと引っ張られ、凄まじい激痛と共に彼女の身体は股間から真っ二つに裂けていた。

 広場に集まった群集の頭上から、幼女の上げる断末魔の絶叫、更に身体を裂かれて迸った鮮血の雨と引き千切られた内臓とが降り注ぐ。
 まぁ、絶叫はともかく、血や内臓を頭から浴びる羽目になったのは、処刑を少しでも近くで見ようと最前列に近い場所を確保していた人々だ。

 こういう位置にいると斬首のときなどに血を被ることもあるから、ある程度の覚悟は出来ているはずだし、むしろそれを期待していたものも多かったろうが、流石に内臓まで飛び散ってくる事態は予想していなかったらしい。

 べちゃりと顔に張りつく血まみれの臓物に悲鳴を上げ、慌ててそれを振り払うといった光景がそこかしこで見うけられた。

 その光景を、ミレニアは静かに眺めている。
 口元に笑みを浮かべたままで。

 と、僅かに遠慮するようなそぶりを見せながらまだ子供っぽさを残したメイド服の少女が彼女に近づき、何事かを囁きかけた。

 その言葉を聞いたミレニアが微かに首をかしげ、僅かに視線を宙に向けると何事かを答えながら笑みを消したのだが、この騒ぎでは群衆の中にその一幕に気づいたものは皆無だったろう。

 小さからぬ混乱を見せる群集たちとの頭上で、縦に二つに引き裂かれ、血まみれの肉隗と化して吊り下げられた幼女の死骸がくるくると回転しながら左右に揺れていた……。

- つづく -


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